公的統計オンサイト利用とは

公的統計ミクロデータ

公的統計のミクロデータとは、政府が行政のために行う統計調査の集計前の世帯や事業所など調査単位での個票形式のデータ(調査票情報)を指します。

社会・人文科学や一部の自然科学分野では、社会を捉える大規模データを研究者が独自に収集することが困難であるため、公的統計ミクロデータを、学術目的での利用許可を得たうえで研究に活用しています。このような利用を二次利用と言います。

とくに経済学分野においては、ミクロデータによる実証分析が盛んであり、日本においても、さまざまなミクロデータ、とくに、公的統計のミクロデータを利用した実証研究の数は年々増加しています。

公的統計のオンサイト利用

これまで日本では、公的統計のミクロデータの学術利用は、統計法33条によって、公的機関が委託や公募による補助をして行う調査研究に限られてきました。日本学術振興会の科学研究費助成に採択された研究もこれらに含まれます。

2019年5月に統計法が改正され、上記に加えて、大学等が行ったり、公募して補助したりする調査研究、大学等に所属する教員が行う調査研究で、公益性を有するものにまで利用の範囲が拡大されました。これが新設された条文(統計法33条の2)によって認められた利用です。

この新たな範囲の利用者へのミクロデータの提供方法は、オンサイト利用に限定されます。オンサイトとは、情報セキュリティが確保された環境で、許可された研究者がデータを用いた分析を行うための専用室です。公的統計のオンサイト利用は、このオンサイト内に設置されたシンクライアント端末を使って、公的統計のミクロデータを遠隔操作によって分析する利用法です。分析結果は、その場でダウンロードや印刷などして持ち出すことはできず、所定の審査を経た上で後日提供を受けます。

詳しくは、こちらのミクロデータ利用ポータルサイトをご覧ください。

https://www.e-stat.go.jp/microdata/data-use/on-site

オンサイト利用を活用する利点

このように、公的統計のオンサイト利用のためには、オンサイト施設に利用者が出向かなければならず、また、現地でのプログラムやデータのアップロード、ダウンロードができません。これらの点では、利便性が高いとはいえません。

しかしながら、高度なセキュリティが確保された施設での利用が前提になることから、従来の電子媒体(CD-RやDVD-R等)による提供に比べ、利用者の範囲が広がり、申請過程が大幅に簡素化されています。たとえば、電子媒体による従来の提供では、申請時に分析内容を事前に決めて届け出て、その分析のために必要な最小限の調査票情報を提供されることになります。一方、オンサイト利用では、申請時には分析の概要を届け出るのみで、すべての調査票情報の提供を受けることが可能です。すなわち、事前の計画の制約を受けることなく、実際に調査票情報のデータ解析をする過程で、研究内容が発見的に発展していくという、探索的、創造的な研究が可能となります。これは、研究者にとって大きな利点となります。

京都大学経済研究所の共同利用活動

このような公的統計の提供状況を鑑みて、京都大学経済研究所では、所内に公的統計のオンサイト利用のための専用施設を設置し、広く政府統計の調査票情報のオンサイト利用を認められた研究者、行政機関担当者などに利用を提供する共同利用施設としています。それによって、経済学を始めとする幅広い研究分野の研究、行政のための分析などにおける、公的データの有効活用の普及に貢献することを目指しています。

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